差別助長した派遣労働法16年…非正規職600万人超=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.12.10 14:06
1998年、外国為替危機の時に国際通貨基金(IMF)が韓国政府に要求した最初の注文は、労働市場の柔軟化だった。それまで韓国では62年に制定された職業安定法によって非正規職の採用が厳格に禁止されていたからだ。IMFの鋭い刃に金大中(キム・デジュン)政権は「派遣労働者保護などに関する法律」を制定した。当時、イ・ギホ労働部長官は国会環境労働委員会で「あまりにも厳格に労働者を保護する側だけを強調していると雇用創出という純粋機能が侵害される恐れがある」として国会を説得した。しかし労働界の激しい反発で派遣労働者法は、与野党の拙速な折衝で当初の趣旨からかけ離れた方向に色づけされた。派遣労働者を使える業種を32種に制限した。さらに派遣期間2年を超えれば自動的に正規職になるよう釘を刺した。労働者の保護が名分だった。
しかし法が施行されると現実ではとんでもない現象が出てきた。企業は、正規職を増やさないために派遣労働者を2年ごとに替えた。社内下請けという便法も広範囲に広がった。元請けと下請け企業の職員が1つの会社で同じ仕事をしながらも賃金の差が広がるという逆説があらわれた。それまで正規職は労働組合を前面に出して既得権を高め続けた。採用と職場異動に伸縮性を持たせるようにとの趣旨で作った派遣労働法が、逆に正規職と非正規職の隙間ばかりを広げていった。成均館(ソンギュングァン)大学のチョ・ジュンモ教授(経済学)は「派遣法が労働市場を柔軟化させるどころか硬直化の主犯になった」と話した。